夏山集中登山

栂池・白馬三山
小蓮華山の稜線を登る
 報告者   :  梅澤宗平 (代行) 
 山  名 栂池・白馬三山  山行名 例会 夏山集中登山
 ルート

29日:京田辺→栂池高原→栂池自然園→天狗原→白馬大池山荘
30日:白馬大池山荘→小蓮華山→白馬岳→白馬山荘→白馬鑓ヶ岳→白馬鑓温泉
31日:白馬鑓温泉→猿倉→JR白馬駅→JR京都

 山行日  平成23年7月29日~31日  天候 雨時々曇り
 参加者 CL:鈴木 SL:梅澤
男性 : 上記2名
女性 :  山田貞子、内匠美佐子、姫島百合子、岡本綾子
計   :  6名
ルート外略図とコースタイム
 

 山行報告
 今回の山行は栂海新道班と2日目の三国峠までコースが同じであった。 結果、バスも山小屋も同じであった。 今後は安全性と経済性の両面からこうした山行が増えることが予想される。 栂池高原から栂池自然園までパノラマウェイに乗る。 自然園右にある登山口から登り始める13時。 いきなり泥だらけの道である。すぐ中学生のグループと遭遇する。なんなく天狗原に到着する。乗鞍岳の急勾配の登りで栂海新道班に追いつかれる。雪渓があるところで一緒に休憩する14時27分。雷鳥の親子を発見。乗鞍岳の山頂でも休憩。 ここから大池山荘まで下る。 いつになったら大池山荘に到着するのかとやや心配になったころ足下に突然、大池の水が見えた。時計を見ると16時48分。 大池山荘には17時ごろ到着。彼らは16時30分には到着したと聞く。17時40分に一緒に夕食。 


30日4時に出発。栂海新道班に先行してもらう。 雷鳥坂付近であろうか雨の中、雷鳥を発見6時42分。やかましい連中に見つかって災難である。暫くは先行する彼らの姿が見えたが小蓮華山の稜線を越えた辺りから姿が見えなくなった。が三国峠で我々を待ってくれた。雨の中、本当にありがとう。集合写真を撮る。 彼らと別れ8時25分白馬岳山頂に立つ。雨で周りは何も見えない。白馬山荘で休憩する9時。ストーブがあり濡れた服を乾かすことができた。 偶然、救助隊のお一人とお話しをすることができた。これから鑓温泉まで行こうと思っています。大丈夫、目を見れば分かる。 杓子岳は巻き道を行った。内匠さんは山頂にこだわっておられたが。鑓ヶ岳は空身で登った。 後は鑓温泉への下りだけである。途中、大出原辺りでティータイム13時20分。温泉マークと硫黄の臭いがする地点にきた。 歓声があがる。しかし、いつまでたっても温泉には到達できない。事故注意の看板がかけられていた。緊張する。2箇所ほど滝も越えた。落下すると雪渓の空洞に落ちる。 下を見ると鑓温泉の屋根が見えた15時。31日5時出発。途中2箇所の雪渓をトラバースする。 10本爪のアイゼンは確実にアイスバーンをつかむ。 樹林帯の中、若者Gと中年Gに追い越される。 中年Gにはタクシーの相乗りを提案するもやんわりと断られる。 猿倉には9時半頃到着。猿倉からタクシーでみみずくの湯に向かう。 その後、普通列車で松本まで行き、特急列車に乗り換えて京都まで行った。 3日とも雨の山行だったが決行して正解であった。

 一口感想文
 岡本綾子
 今回は、全日雨という残念な夏山登山でした。

しかし、私自身はこの山行で多くの事を学べたと思います。

まず、少人数での山行は、とても貴重な体験でした。

2,900mを超える山での雨の中のつかの間の景色を、6人で共有出来た事をとてもうれしく思います。

一番の反省は、10kgになっていた荷物の重さを経験したことがなく、それを想定できなかった事です。余計な物が多々ありましたのでもう少し軽くなるとは思いますが、何よりもその重さのザックを背負って長時間歩ける体力が必要だとつくづく感じました。

今更ですが、たまにリフレッシュに山に行こうスタイルでは通用しない事を、肝に銘じたいと思います。

 山田貞子
 鑓ヶ岳をすぎ、ゆっくり歩いていると大きな岩に♨マークと硫黄の匂いがしたのでもうすぐ温泉と思ったがそれからが大変で滝を迂回しながらクサリ場を通り鑓温泉に着きました。

温泉にも入り、いろいろなお花にも出合い、雨の中の3日間でしたが楽しい思い出が出来ました。皆様ありがとうございます。

 姫島百合子
 3日目は雪渓をアイゼンをつけて恐る恐る歩きましたが雪渓からの水蒸気の上昇する姿や霧の間からの一瞬の絶景やかれんなコマクサ、雷鳥の姿は最高のプレゼントでした。6人という小グループだったので危険なクサリ場もスムースに通り抜け、小雨の中で沸かしてもらった暖かい飲み物に「元気もりもり!」歩くことが出来ました。記録係でしたが、自分のことだけでグッタリで迷惑かけて反省しています。それにしても、鑓温泉の木の洗面器はへたれの山婆には重すぎた!良い思い出を同行の皆様ありがとうございました。
 梅澤宗平
 730日、白馬大池山荘を4時に出発する。栂海新道班に先行していただく。少しずつしかし、確実に離されていく。我々も敢えて追いつこうとはしなかった。小蓮華山の稜線を越えた辺りで彼らの姿は見えなくなった。が三国峠で再会を果たすことができた。雨の中、我々を待っていてくれたのだ。

土砂降りの中、白馬岳山頂に立つも何も見えない。強力伝で有名な展望図指示盤だけを撮影して下山する。その後、白馬山荘で休憩。ストーブで濡れた服を乾かす。偶然居合わせた救助隊のお一人と話をした。「これから鑓温泉まで行きます」、「大丈夫、目をみればわかります」。あのときはうれしかったな。

 雨の白馬三山
 内匠美佐子
 今年の2月スキーに行った時、八方尾根第2ケルンから眺めた真っ白な白馬三山に見惚れていた。いつかあの雄大な山々を縦走してみたいなと思っていた。ちょうど今回の夏山で白馬三山縦走コースがあり参加させてもらった。栂池高原から白馬大池→白馬岳→小蓮華岳→白馬岳→杓子岳→白馬鑓ケ岳のコースです。最初希望していた不帰キレット・唐松岳へは行かないので少し残念。栂池高原スキー場は昔何度か来たことがありとても懐かしかった。ヘリコプターで天狗原まで運んでもらいそこからスキー場まで滑降した事を思い出す。雨が降り出し雨具を付けての登山開始である。急登の登山道はぬかるんでいて滑らないようにと気を使う。汗と雨でとても蒸し暑かったが山頂は強風で寒かった。

 次の日も雨。ガスで景色は何も見えず、ただひたすら歩を進めるのみ。そんな中でも足元には可憐な高山植物が色鮮やかに咲いています。あまりの可愛さについ手を指しのばしたくなる。高山植物の女王“コマクサ”を見つけ喜んだ。流石写真映りも綺麗!一瞬の晴れ間に歓声をあげつつ、晴れていたらきっと素晴らしい景色が広がっているのに……と言いながらの山行でした。唯一良かったのは標高2100mの鑓温泉。シャンプーや石鹸類は使用できず湯につかるだけですが、雨で濡れた体を温めホッと一息つきました。しかし、鑓温泉に辿りつくまで難所のクサリ場はスリル満点でした。下から見上げると何と轟々と流れる滝を横切ってきました。滑落しないよう慎重に注意しながら全員通過でき良かったです。

 あくる日は晴れ間のスタートで喜んだのも束の間、杓子沢で楽しく朝食を済ませた後、急に曇りだしまたも雨。再び雨具を付けての下山です。標高が下がるにつれ汗と雨でとても暑い!岩石ゴロゴロの登山道は水が流れ、まるで川の中を歩いているようです。まだかまだか黙々と歩いた猿倉までの距離は長く感じた。またいつか白馬三山を縦走してみたいです。

     
 坂の上の雲のエンディング場所を行く  展望図指示盤 鑓温泉の雪渓を トラバース
     
   写真提供:梅澤さん